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結論:製造国だけで安全性は判断できない。見るべきはPSE認証とリコール対応の実績
ポータブル電源の主要メーカーの多くは、実際には中国(またはその近郊)で製造されています。これは大手海外ブランドも例外ではなく、「製造国が中国だから危険」と単純に言い切ることはできません。経済産業省が公表したリコール事例を見ても、無名メーカーだけでなく広く知られた大手ブランドの製品も対象になっています。安全性を判断する基準にすべきは製造国ではなく、PSE認証の有無・リコール発表の有無と対応の速さ・販売事業者の連絡先が明確かの3点です。

「製造国」と「安全性」は直結しない
電気用品安全法(PSE制度)は、製品がどこで作られたかではなく、日本国内で販売するために必要な技術基準を満たしているかを問う制度です。海外で製造された製品であっても、輸入・販売を行う事業者が国の定める技術基準に適合させ、PSEマークを表示する義務を負います(経済産業省「電気用品安全法の概要」)。
つまり、製造が国内か海外かという点自体は、PSE制度上の合否を左右する要素ではありません。輸入事業者がこの義務を適切に果たしているかどうかが、安全性を左右する実質的な分かれ目です。
大手ブランドでもリコール事例はある
「聞いたことのある大手ブランドなら安心」とも言い切れません。経済産業省は近年、知名度の高いブランドを含む複数のリコールを公表しています。
| 発表時期 | 対象 | 台数の目安 | 事由 |
|---|---|---|---|
| 2025年10月 | Ankerモバイルバッテリー(PowerCore 10000等) | 約41万台 | 経済産業省がアンカー・ジャパンに報告要求 |
| 2026年2月 | EcoFlow RIVER Pro/専用エクストラバッテリー | 約5.7万台 | セルの異常発熱による火災事故 |
| 2025年10月 | EENOURポータブル電源(P5000PRO等) | 一部ロット | 発火事故の調査で品質基準未達が判明 |
(monoist「モバイルバッテリーでまたリコール、対象は41万台 経産省がアンカーに報告要求」、monoist「モバイルバッテリーの大規模リコールに行政指導も」)
これらの事例が示すのは、「無名メーカーだけが危ない」わけではないということです。リチウムイオン電池を搭載する製品である以上、ブランドの知名度にかかわらず品質管理上のリスクは存在します。購入前だけでなく購入後も、リコール情報を定期的に確認しておく必要があります。
NITEが公表する事故件数の実態
製品評価技術基盤機構(NITE)によれば、2021〜2025年の5年間でリチウムイオン電池搭載製品の事故として通知された件数は2,140件にのぼり、製品別ではモバイルバッテリーが最多です(NITE「『夏バテ(夏のバッテリー)』にご注意を」)。この統計はブランドや製造国別の内訳を示すものではなく、リチウムイオン電池という製品特性そのものに一定のリスクが伴うことを示すデータと捉えるべきです。
安全性を判断する3つの基準
製造国ではなく、以下の3点を確認することが客観的な判断につながります。
- PSEマークの表示があるか:電気用品安全法上、日本国内で販売する電気用品にはPSEマークの表示が義務付けられています。確認方法はポータブル電源のPSE認証マークの確認方法(PW-L02)を参照してください。
- リコール歴と対応の速さ:過去にリコールがあったこと自体より、発表後の対応(回収・交換の実施状況、連絡先の明確さ)を確認しましょう。詳しくはポータブル電源のリコール情報まとめ(PW-L03)を参照してください。
- 販売事業者の連絡先が明確か:経済産業省は、事故報告への確認連絡に複数回応じない事業者を「連絡不通事業者」として公表する制度を運用しています(経済産業省「モバイルバッテリーに関するFAQ」)。日本国内に明確な問い合わせ窓口を持つ事業者かどうかも、有事の対応力を測る目安になります。
国内メーカー品も含めた安全性比較はポータブル電源おすすめ比較【PSE・安全性チェック付き】(PW-01)にまとめています。
製品例
主要メーカーのうち、長期保証・安全規格に配慮した製品例を紹介します。
まとめ
- 主要メーカーの多くは中国(またはその近郊)で製造されており、製造国だけで安全性の優劣を判断することはできない
- PSE制度は製造国ではなく、日本国内で販売するための技術基準適合を問う制度
- 大手ブランドでも近年リコール事例があり、「知名度が高いから安心」とも言い切れない
- 判断基準にすべきは「PSEマークの有無」「リコール対応の実績」「販売事業者の連絡先の明確さ」の3点
よくある質問
中国製のポータブル電源は避けるべきですか?
製造国だけを理由に避ける必要はありません。国内で流通する主要ブランドの多くが中国(またはその近郊)で製造されています。判断の軸にすべきは製造国ではなく、PSEマークの表示やリコール対応の実績といった、客観的に確認できる基準です。
大手ブランドなら安全性は保証されますか?
保証にはなりません。経済産業省は近年、広く知られたブランドの製品についても複数のリコールを公表しています。ブランドの知名度にかかわらず、リコール情報は定期的に確認すべきです。
安全性を確認する具体的な方法はありますか?
PSEマークの表示があるか、過去にリコールがあった場合の対応状況、販売事業者の日本国内の連絡先が明確かどうかの3点を確認してください。詳しい確認方法は関連記事(PW-L02、PW-L03)で解説しています。


