自宅の太陽光発電は災害時に役立つか、導入前に確認すべきこと

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結論:そのままでは使えない。「自立運転」への手動切り替えと、夜間をカバーする蓄電池が必要

「太陽光発電を付けていれば停電時も安心」というイメージを持っている方は少なくありませんが、これは正確ではありません。住宅用太陽光発電システムは、停電時に安全のため自動的に発電を停止する仕組みになっています。停電時に電気を使うには、「自立運転」という手動操作への切り替えが必要です。さらに、自立運転は日照がある昼間しか機能しないため、夜間もカバーするには蓄電池の併用が欠かせません。導入を検討する際は、この2点を必ず押さえておいてください。

太陽光発電が停電時に自動停止する理由と、自立運転・蓄電池の関係
※画像はAIで生成したイメージです

なぜ停電時に自動で止まるのか

住宅用太陽光発電のパワーコンディショナには「単独運転防止機能」が搭載されています。これは、停電中の電線に太陽光発電からの電気が逆流すると、電線の復旧作業をしている作業員が感電する危険があるための安全機能です。そのため、停電を検知すると太陽光発電システムは自動的に運転を停止し、電力会社の系統から切り離されます。

停電時に使うには「自立運転」への切り替えが必要

停電時でも太陽光発電の電気を使いたい場合は、系統と切り離した状態でパワーコンディショナを運転させる「自立運転」に手動で切り替える必要があります。資源エネルギー庁は、切り替え手順を以下のように周知しています(資源エネルギー庁「停電時の住宅用太陽光発電パネルの自立運転機能について」)。

  1. 自立運転用コンセントの位置を確認する
  2. 取扱説明書で「自立運転モード」への切り替え方法を確かめる
  3. 主電源ブレーカーをオフにする
  4. 太陽光発電ブレーカーをオフにする
  5. 「自立運転モード」に切り替える
  6. 自立運転用コンセントに必要な機器を接続して使用する
  7. 停電が復旧した際は、必ず元に戻す(自立運転モード解除→太陽光発電用ブレーカーをオン→主電源ブレーカーをオンの順)

メーカーや機種によって操作方法は異なるため、実際に切り替える際は自宅の設備の取扱説明書を必ず確認してください。

自立運転だけでは不十分な理由

自立運転に切り替えられれば安心、というわけではありません。以下の2つの限界があります。

制約 内容
出力が小さい 自立運転用コンセントの出力は目安100V・15A(約1,500W程度)。家中の電気を賄うことはできず、使える家電を選ぶ必要がある
夜間・悪天候時は使えない 太陽光発電は日照がなければ発電しない。自立運転に切り替えても、夜間や雨天時は電気を使えない

つまり、太陽光発電単体での備えは「昼間、限られた家電だけ」という制約付きです。夜間も電気を使える状態を保ちたいなら、日中発電した電気を蓄えておける蓄電池の併用が欠かせません。

蓄電池の併用が前提になる

資源エネルギー庁は、2018年の北海道胆振東部地震や2019年の台風15号千葉における広域・長期の停電を教訓に、電力レジリエンス(災害時の電力供給の強靭性)強化のための制度整備を進めており、家庭用蓄電池の導入支援策も継続的に実施しています。太陽光発電を災害時の備えとして検討する場合は、太陽光パネル単体ではなく、蓄電池とセットで考えることが前提になります。

蓄電池は太陽光発電システムより高額な投資になります。容量・価格・停電時に何を動かしたいか(冷蔵庫だけか、エアコンも含むか等)を先に整理してから検討しましょう。

導入を検討するなら、複数社の見積りを比較する

蓄電池とのセット導入を前提に検討する場合、設置条件(屋根の形状・方角、蓄電池の設置スペース等)によって最適な機種や価格は大きく変わります。1社だけの提案で決めず、複数社から見積りを取って比較しましょう。

いずれも複数の施工会社から無料で見積りを取り寄せられるサービスです。蓄電池の容量・価格は提案によって差が出やすいため、比較した上で判断してください。

ポータブル電源本体の比較はポータブル電源おすすめ比較【PSE・安全性チェック付き】(PW-01)にまとめています。

まとめ

  • 住宅用太陽光発電は、停電時に安全のため自動的に発電を停止する(単独運転防止機能)
  • 停電時に使うには「自立運転」への手動切り替えが必要。手順は資源エネルギー庁が周知している
  • 自立運転の出力は限定的(目安1,500W程度)で、夜間・悪天候時は発電できず使えない
  • 夜間もカバーするには蓄電池との併用が実質的に必須
  • 導入を検討する際は、太陽光パネル単体ではなく蓄電池とセットで、容量・価格・停電時の使用目的を整理してから判断する

よくある質問

太陽光発電を設置していれば、停電になってもすぐ電気が使えますか?

いいえ、自動では使えません。安全のため、停電を検知すると太陽光発電システムは自動的に停止します。電気を使うには「自立運転」という手動操作への切り替えが必要です。

自立運転に切り替えれば、停電中もいつも通り電気が使えますか?

限定的にしか使えません。自立運転用コンセントの出力は目安1,500W程度で、家中の電気は賄えません。また夜間や悪天候時は太陽光が発電しないため、自立運転でも電気は使えません。

太陽光発電だけで停電対策として十分ですか?

十分とは言えません。夜間もカバーするには、日中発電した電気を蓄えられる蓄電池との併用が欠かせません。導入を検討する際は、太陽光パネル単体ではなく蓄電池とセットで考えましょう。

参考・一次情報源

この記事を書いた人

運営者の「ひで」は、緊急時対応業務の実務に約10年従事しています。また宅地建物取引士として、不動産の実務経験もあります。記事は、この実務経験をふまえつつ、消防庁・内閣府防災・経済産業省・消費者庁などの公的機関が公表する一次情報と、メーカーの公表情報を確認したうえで書いています。

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