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結論:災害時は特定キャリアの回線がつながらないことがある。備えるなら「複数キャリア対応」端末が有効
大規模災害の直後は、通話・通信が一時的に集中し、携帯電話がつながりにくくなることがあります。総務省の資料によれば、東日本大震災の発生直後には、各キャリアで音声通信が最大70〜95%規制されました。防災用にモバイルWi-Fiを備えるなら、基準は単に「通信できればいいか」ではありません。特定のキャリア回線に障害が起きても、他の回線に切り替えられるか。ここを見て選ぶことが、体験談に頼らない客観的な選び方になります。

なぜ災害時に携帯電話がつながりにくくなるのか
大規模災害が起きると、安否確認や情報収集のための通話・通信が短時間に集中し、通信設備の処理能力を超えてしまう「輻輳(ふくそう)」という状態が発生します。総務省がまとめた平成23年版情報通信白書によれば、東日本大震災の発生直後、通信事業者各社は輻輳によるネットワーク全体のダウンを防ぐため、音声通信について最大70〜95%の通信規制を実施しました(総務省「平成23年版情報通信白書」)。一方でパケット通信(データ通信)は、音声通信に比べて規制の程度が低かったとされています。
つまり、災害直後は「電話はつながらないが、データ通信は比較的つながりやすい」という状況が起こり得ます。この点で、通話に頼らずデータ通信で連絡・情報収集の手段を確保しておくことには一定の合理性があります。
「00000JAPAN」だけに頼るのは避けたい理由
大規模災害時には、携帯キャリア各社が共同で「00000JAPAN」という無料のWi-Fiアクセスポイントを避難所等に開放する取り組みがあります(総務省「非常時における通信の概要」)。パスワード不要で誰でも接続できる点は心強い仕組みです。ただし、以下の制約も押さえておく必要があります。
- 開放されるのは、あらかじめWi-Fiアクセスポイントが設置されている場所(避難所・公共施設等)に限られ、自宅や避難先の屋外で常に使えるわけではない
- 開放の判断は災害の規模・状況によって行われるため、開放されるタイミングは災害発生時まで分からない
- 多数の利用者が同時に接続するため、混雑時は速度が低下しやすい
自宅や車内など、00000JAPANの対象エリア外で通信手段を確保したい場合は、モバイルWi-Fiルーターを自前で備えておく必要があります。
防災用モバイルWi-Fiを選ぶ3つのポイント
ポイント1: 単一キャリアではなく複数キャリアに対応しているか
前述の通り、災害時は特定キャリアの回線だけが規制・障害の影響を受けることがあり、1つのキャリア回線しか使えない端末では、そのキャリアに障害が起きた時点で通信手段を失います。複数キャリアの回線を自動または手動で切り替えられる端末(マルチキャリア対応機種)なら、一方の回線がつながりにくくても、他の回線に切り替えて通信を試みられます。
ポイント2: バッテリー・給電手段
停電時に使うことを想定すると、モバイルWi-Fiルーター自体のバッテリー持続時間だけでは心もとありません。モバイルバッテリーやポータブル電源など外部から給電できる手段も合わせて用意しておきましょう(ポータブル電源おすすめ比較(PW-01)も参照)。
ポイント3: データ容量・契約形態(レンタルか購入か)
日常的に使う予定がなく防災用にのみ備える場合は、月額契約が不要なレンタル型や、必要な時だけ利用できるプランのほうが無駄なコストを抑えられます。逆に日常のサブ回線としても使うなら、データ容量・料金プランを比較して選ぶとよいでしょう。
| 選び方の基準 | 確認すること |
|---|---|
| 複数キャリア対応 | 1端末で複数キャリアの回線に接続・切り替えができるか |
| バッテリー | 内蔵バッテリーの持続時間、モバイルバッテリー等での給電可否 |
| データ容量・契約形態 | レンタルか購入か、月額プランの容量と防災用途としての無駄の少なさ |
マルチキャリア対応の端末例:それがだいじWi-Fi 5G
複数キャリア対応をうたう製品の一例として、ソリューションネットワーク株式会社が提供する「それがだいじWi-Fi 5G」があります。公式発表によれば、vSIM機能により国内大手4キャリアの回線の中から、利用場所で電波状況の良い回線に自動接続する仕組みを備えています(「それがだいじWi-Fi 5G」プレスリリース(PR TIMES))。5G非対応エリアでは4G/LTE回線を利用できるとされており、端末は月額料金でのレンタル形式で提供されています。
契約内容・料金プランは変更される可能性があるため、申し込み前に公式サイトで最新の条件を必ず確認してください。
まとめ
- 災害直後は通話・通信が集中し、キャリア各社が音声通信を最大70〜95%規制した実績がある(東日本大震災、総務省調べ)
- 「00000JAPAN」の無料Wi-Fi開放は心強いが、設置場所・開放タイミングに制約がある
- 防災用モバイルWi-Fiは「複数キャリア対応」「バッテリー・給電手段」「データ容量・契約形態」の3点を基準に選ぶ
- 複数キャリアの回線を自動切替できる端末を備えておくと、特定キャリアの障害時にも通信手段を失いにくい
よくある質問
災害時は携帯電話がまったく使えなくなりますか?
まったく使えなくなるわけではありません。ただし通話は集中により大幅に規制されることがあり、東日本大震災では最大70〜95%の通信規制が実施されました。一方でデータ通信は比較的規制の程度が低かったとされています。
00000JAPANがあれば、モバイルWi-Fiは不要ですか?
00000JAPANはあらかじめ設置された避難所・公共施設等でのみ利用できる仕組みで、開放のタイミングも災害の状況によります。自宅や屋外など対象エリア外では、自前のモバイルWi-Fiがなければ通信手段を確保できません。
モバイルWi-Fiを選ぶ際に一番重視すべき点は何ですか?
単一キャリアの回線しか使えない端末は、そのキャリアに障害が起きると使えなくなります。複数キャリアの回線に対応し、切り替えられる端末を選ぶことが、災害時の通信手段を失わないための基本的な考え方です。


